データの正確性が向上し
拠点間の情報確認が迅速に
ブリの養殖業務記録システム
世界6カ国に拠点を置く食品専門商社、海神貿易のグループ会社である株式会社中谷水産は、2022年に天草漁業組合に加入し、熊本県天 草市牛深町の茂串でブリ養殖事業を開始しました。2023年11月には、国内の生産企業・漁協では5件目となる国際的な認証制度ASC認証を取得しています。
養殖記録をクラウドで管理することで、業務の効率化を図るため、アイエンターの「養殖業務管理システム」を導入しました。
導入の経緯、導入後の効果や今後実現したいことなどをお伺いしています。
システムを導入いただいた経緯を教えてください
株式会社中谷水産では、ブリの養殖を行っています。毎日の管理項目である水質、給餌量、斃死数などの入力をExcelで行っていましたが、フォーマットを統一し、迅速に確認できるようにクラウドで管理することで、業務の効率化を図りたいと考え、導入を検討しました。
システム導入前はどのような課題がありましたか?
Excelで管理していた養殖日報は、報告側(作業者)と受け取る側(本部)でデータに乖離があり、必要なデータが揃っていませんでした。 また、Excelがローカルに保存されていたため、本部の担当者がすぐにデータを閲覧できませんでした。そのため、データの修正や確認に時間がかかる状態でした。
システムを導入した後の効果を教えてください
フォーマットの統一により、報告内容の修正が不要になりました。また、クラウドにデータを保存することで、 拠点間の情報確認が迅速に行えるようになりました。 データ入力はスマホ、タブレット、PCから選択できるため、各人に合った方法で対応できるのも大きな利点です。
餌の購入量についても、以前は請求書でしか確認できませんでしたが、システム導入後は会計上の照合が可能となり、 各生け簀で使用した餌の袋数を明確に把握できるようになりました。
データの可視化によって、データの正確性が向上し、全体的な業務の効率化に貢献していると感じています。 また、コストパフォーマンスも適切だと思います。
システムの操作性について教えてください
システムは毎日使用しています。AppSheetで簡単にデータを入力し、Googleスプレッドシートでデータが可視化されますが、 入力も簡単で、最新データにもアクセスしやすいです。
シンプルさを追求するあまり、使いづらい部分や手間がかかる、見にくい部分があることもありますが、 運用を続けながら最適な入力項目や表示形式を追求していきたいと考えています。
事業計画にも活用していきたいと考えていますが、その使い方を現在検討しています。
今後もITの導入を考えていますか?
今後は、養殖生け簀の水温や溶存酸素(DO)を常時監視できるとさらに良いと考えています。ただし、費用の問題もあるため、 予算が確保できれば、アイエンターの24時間水質管理システム「IoT水質センサー」の導入も検討していきたいと思っています。
今後の目標や社会への役割を教えてください
まずはデータの蓄積を進め、データ活用の幅を広げていきたいと考えています。養殖現場や事務作業の効率化を進め、 生産体制を整えることで、品質向上とコスト削減を両立させるとともに、輸出用の魚を効率的に育て、 サイズを早く大きくする方法を確立し、他国での販路拡大を目指しています。
また、養殖現場の拡大として、新漁場の使用も予定しています。 水温の違いがあるため、各現場に適した養殖方法を模索し、持続可能な生産を実現することが目標です。
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