環境負荷の低い手法を追求し、安心安全で
おいしい養殖魚を
安定的に届ける
ヒラメ養殖生簀の水質管理
1984年創業の小浜海産物株式会社は、若狭湾の豊富な水産資源を背景に若狭小浜名産の「小鯛ささ漬」をはじめとする水産物の加工、 そして地方卸売市場として海産物ほか食品全般を取り扱っています。 2020年より新規事業として陸上養殖を開始し、アイエンターの「IoT水質センサー」を導入しました。
導入の経緯、導入後の効果や今後実現したいことなどをお伺いしています。
導入いただいた経緯を教えてください
アイエンターさんの水質センサーを導入する前は、他社の水質センサーを実証実験の目的で導入し、水質を監視していました。 しかし、測定のエラーにより、水質データがブランクになってしまうことが多くあり、且つ水質センサーの形状がかなり大きく、使い勝手もあまり良いものではありませんでした。
実証実験が終わるタイミングで費用も発生してしまうことから、別の水質センサーを探していたところ、 アイエンターさんのIoT水質センサーをWebで見つけ、価格や計測間隔が短く設定できる部分を含め、1番使い勝手が良さそうだったので、導入を決めました。
導入前はどのような課題がありましたか?
先程お話しした他社の水質センサーはエラーが多かったので、ハンディタイプの水質センサーを使用して測定を行っていましたが、 水槽が38基あり、測定作業に1時間半程掛かっていました。
また、24時間体制で見ているわけではなく、定時以降は誰もいない状況になるので、水質測定ができず、不安を抱えていました。 この不安から、酸素を無駄に使用してしまいランニングコストも余分に掛かっていたと思います。
IoT水質センサーを導入した後の効果を教えてください
まず、水質測定する作業時間をかなり減らすことができました。 作業人数は減っていませんが、責任者が対応する必要がなくなり、アルバイトやパートの方々にお願いすることで、責任者が別の作業を行なうこともできています。
また、通知機能もあるので、心理的な負担もかなり減りました。 実際にDO(溶存酸素濃度)の値が設定した閾値を下回ると通知が届き、現場で状況確認するとエアレーションが止まっていたことがありました。 すぐに気づけたことで斃死を防ぐことができたので、魚の斃死リスクも軽減できるサービスだと実感しました。
センサーの使用感を教えてください
センサーの清掃は1~2週間、校正は3ヶ月に1回程度行っておりますが、特に問題なく稼働できています。 また、何か不具合があった際にはすぐに対応してもらえるので、安心して利用しています。
水質データは、現場ではPCを立ち上げて確認し、出先や定時以降はスマホで確認しています。 毎回PCを立ち上げずに、スマホで見れる点もすごく便利だと感じます。
今後期待する機能はありますか?
アンモニアや硝酸、亜硝酸の測定が24時間監視できると、さらに効率的な養殖が可能になると思います。
今後もITの導入を考えていますか?
2年後の2025年には養殖場を新設する計画を立てています。最初は小規模に始めますが、問題なければ大規模にしていく方針ですので、可能であれば、アイエンターさんのIoT水質センサーを全水槽に導入したいと考えています。
今後の目標や社会への役割を教えてください
近年、水産資源の持続的利用に向け、養殖が担う役割がますます高まっています。 私たちも、命をつなぎ、豊かな食文化を育んできた小浜の海を守りたい。 そんな思いから、2020年より自然環境に配慮した陸上養殖に取り組み始め、「八百姫(やおひめ)ひらめ」を商品化しました。
「八百姫ひらめ」には3つの特徴があります。 1つ目は、殺菌作用のある「酸素ナノバブル」を溶け込ませた海水を使用し、ワクチンや予防薬を投与せずに感染症や寄生虫のリスクを低下させた安心安全なひらめです。 完全無投薬のオーガニック養殖魚は、出荷後も日持ちし、長く楽しむことができます。 2つ目は、水質衛生管理を徹底し、取り込んだ海水を元よりもきれいな状態にして海に戻しているので、 魚が食べ残した餌や排泄物などの海洋汚染の原因とならない環境にやさしい養殖を行っています。 3つ目は、自社オリジナルの高タンパク・低脂質の餌を与えることで、肝臓肥大せず歩留まりも良い(余分な脂乗りが少なく)、引き締まった身質に育てています。
また、陸上養殖は、天候・災害のリスクが少なく、安定した供給が可能です。 これからもより環境負荷の低い手法を追求し、安心安全でおいしい養殖魚を安定的にお届けするために、研究を続けてまいります。
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