2025年5月20日(火)~23日(金)に台湾・台北のTaipei Nangang Exhibition Centerで開催された「InnoVEX 2025」に出展しました。

「InnoVEX」とは
「InnoVEX(イノベックス)」は、台湾で開催されるアジア有数のテクノロジー系スタートアップ展示会です。 世界最大級のICTイベント「COMPUTEX TAIPEI(台北国際電⼦⼯業⾒本市)」のイノベーション・スタートアップ部門として2016年に新設され、 世界中のスタートアップ企業、学術・研究機関、投資家、メディアなどが集結し、技術やアイディアを共有する場として注目されています。
「InnoVEX 2025」は、24カ国から450社以上が出展し、AIやグリーンテック、スマートモビリティ、半導体、次世代通信など幅広い分野の最新技術が紹介されました。
出展の経緯
「i-ocean」は、Japan Pavilionの横浜企業合同パビリオン「IDEC横浜ブース(運営:公益財団法人横浜企業経営支援財団)」に6社共同で出展しました。当社のマリンテック研究施設「横浜ラボ」も横浜市内にあり、公益財団法人横浜企業経営支援財団様とは施設を通じたご縁から、今回出展のお声がけをいただきました。
出展の目的
InnoVEXは、世界各国から多くの来場者や企業が集まるアジア最大級の展示会です。今年は「AI NEXT」をテーマにAI分野に特化して いたことから、当社のAIを活用したマリンテック製品「i-ocean」を国内外に広く紹介するとともに、出展を通じてどのような反応が得 られるかという現地でのリアルな市場調査、グローバルなネットワークの構築、最新AI技術や業界動向の情報収集を行い、今後の海外展 開や新たなビジネスチャンスの創出を目的としています。

展示内容
展示ブースには、24時間水質管理システム「IoT水質センサー」や魚体サイズを計測するカメラと分析システム「AI魚体サイズ測定カメラ」を展示しました。また「AIフィッシュカウンター」と「エビのサイズ測定(PoC)」も映像で紹介しました。

■IoT水質センサー
陸上養殖や海上養殖、河川や池の水質データを24時間Webで管理することができるシステムです。水質の基準値を超えた値に対してのアラート通知による被害軽減や心理的不安の軽減、データの蓄積による水質変化の要因分析を実現いたします。
■AI魚体サイズ測定カメラ
ディープラーニングを活用した画像認識技術により、魚体を非接触で検出・計測できる特許取得済みのシステムです。現場の飼育者のスキルに依存せず高精度なサイズ測定が可能なため、魚体を傷めることなく、出荷品質の向上にも貢献します。
■AIフィッシュカウンター
流れてくる魚体をカメラで真上から撮影し、AI物体検出技術でリアルタイム自動カウントする特許申請中のシステムです。出口部分で水切りや遮光シートを使うことで外部環境の影響を抑え、安定した計測を実現しています。さらに、AIが魚の頭や尻尾も検出することでカウント精度を高めており、さまざまな魚種に対応可能です。

展示会当日の様子
水産関連の出展が数少ない中でも、i-oceanのブースには10カ国以上から多くのお客様にご来場いただき賑わいを見せました。特に「AI魚体サイズ計測カメラ」や「AIフィッシュカウンター」といったAI・エッジコンピューティング技術を一次産業に応用した製品は、業界内外から注目を集めていました。
来場者の半数は日本企業、残りは現地法人や海外の企業関係者で、魚のサイズ測定や行動モニタリングなど、現場課題のカスタムソリューションに関するご相談も多くいただきました。また、日本製品の信頼性を評価する声も複数ありました。
水産事業者の来場は少なかったものの、AIチップやマイコン開発者がブースを訪れ、自身の技術をi-ocean製品にどう活用できるか積極的に意見交換が行われました。養殖向け機械や自動給餌器などを手掛ける企業からは、稚魚計数や行動分析技術での協力や、屋内エビ養殖場向けに自動ラックを開発している企業とも具体的な技術連携の話もありました。
養殖機器メーカーやエビ養殖企業など、今後の協力が期待できる新たな出会いもあり、事業拡大への手応えを感じる4日間となりました。
出展の振り返りと今後について
今回のInnoVex出展では、AIを活用した「i-ocean」が国内外から高い関心を集め、アジア市場での新たな可能性も実感することができ ました。今後も現場の声やニーズに耳を傾け、国内外の企業や業界関係者と連携しながら、より良い技術とサービスの開発に努めてまい ります。これからも各地の水産業に役立つソリューションをお届けできるよう、挑戦を続けていきます。